新技術開発助成

第101回新技術開発-02

樹脂常温微粉砕装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 Isaac
代表取締役 大川  功
所 在 地
群馬県桐生市
技   術
所 有 者
株式会社 Isaac
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 近年、自動車や航空機へ普及が期待される繊維強化コンポジットの製造には樹脂微粉末が必要となるが、樹脂ペレットを常温下で機械的に粉砕する場合、せん断発熱による溶融により、微粉末の生成は困難である。一方、冷凍・脆化させ衝突粉砕する方法では、冷凍プロセスが必要となり、粉砕後の粒径にばらつきが生じる。本新技術は、常温で樹脂ペレットを切削、微粉砕して、より微粒かつシャープな分布を持つ樹脂粉末を量産レベルで生成できる装置の開発に関わる。
 新技術は、こうした課題を解決しようとするものである。まず、粉砕チャンバー(ステージ)内部へ斜め方向から複数位置へエア噴射を行い、樹脂ペレットを飛翔・旋回させる原理を採用する(図1)。発生する旋回流は、真円を描く特徴を持つ。ステージ内面には、内側を向けて固定された粉砕刃(固定刃)を取り付ける。そして、中央には位相をずらして多段に取り付けられた回転刃を設ける(図2)。上部より樹脂ペレットを投入すると、回転刃と固定刃との間の切削現象により効率良く微粉化される。また粉砕量は、ステージを多段化して増やすことができる。
 本新技術開発により、セルロースナノファイバなどを用いた繊維強化コンポジットの開発を加速し、高強度・軽量化素材を用いた構造体を様々な産業分野へ供給することが期待される。さらに、カーボンファイバやその他の様々な素材を樹脂微粉末と混合し易くなり、応用分野の拡大とともに新規産業創出に寄与することが大いに期待される。

図


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