新技術開発助成

第101回新技術開発-03

光電子分光用深紫外レーザ光源の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 オキサイド
代表取締役社長 古川 保典
所 在 地
山梨県北杜市
技   術
所 有 者
株式会社 オキサイド
技   術
開 発 者
株式会社 オキサイド 事業戦略本部
取締役 藤浦 和夫

技術開発内容

 近年、光電子分光、特に角度分解光電子分光が物質のバンド構造を直視できる分析ツールとして注目されている。この光電子分光の光源としては、物質の仕事関数(>5eV)を超える高いエネルギーを持つ深紫外レーザが適している。これまで主に用いられてきた励起光源は深紫外のパルスレーザであったが、より高精度・高感度測定を実現するためには光電界の低い連続波レーザが好適であることが最近の研究により分かってきた。
 上記ニーズに応えるために、自社が保有する独自の共振器波長変換技術と非線形光学素子技術を用いてコンパクトで安定した連続波深紫外光源の実現を目指す。具体的には、発生波長213nm の4倍の波長852nmのレーザダイオード(LD)を基本波光源に用い、2段階の波長変換(852nm→426nm→213nm)を行うことで連続波深紫外光を得る。紫外光波長変換共振器の共振器長制御に特殊なアクチュエーターを用い、非線形光学結晶として自社で開発した高品質のβ-BBO(ベータバリウムボレート)結晶を用いることで、劣化が少なく長時間安定した連続波深紫外光源の実現を図る。
 本技術開発により、安定した連続波深紫外レーザ光源を提供する。これを角度分解光電子分光に用いることで、1000倍以上の高い効率で高分解能の信号を得られるようになるため材料開発を大幅に加速することができる。さらに本技術開発により深紫外光を用いるイメージングや半導体検査装置分野などの産業界への貢献も期待できる。


図

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