光ファイバへ伝わる音波を測定するDAS(Distributed Acoustic Sensing)は、石油の貯留層の把握、シェールオイル・ガス開発の水圧破砕モニタリングでの適用が有望視されている。しかし、既存のDASは実使用条件を想定した場合、S/Nや信頼性が十分でない為に、普及が進んでいない。
そこで本開発では、新たに検討した独自技術のパルス圧縮技術と位相アンラッピングなどの信号処理技術を、実証用計測装置に実装してロバスト性と高精度化の性能評価を行う。既存のDASに比べて大幅な性能向上を実現し、ジオフォンなどの既存技術では不可能な測定多点化機能と常時性(高速性)を獲得して、実用化を一気に加速する。
本開発のDAS技術が完成すれば、先に実用化している圧力・音波・温度・ひずみ分布をケーブル1本ですべて計測できるDPATS(Distributed Pressure, Acoustic, Temperature and Strain sensing) システムが高いレベルで完成し(図1)、評価が先行している油井の領域に留まらず、様々な分野、例えば国内のインフラモニタリング等の社会的価値も高い領域への適用も期待され、大きなインパクトとなる。
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