新技術開発助成

第103回新技術開発-04

アンダーピニング工法向けメカ式電動ジャッキの技術開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 ホーシン
代表取締役社長 中尾 拓司
所 在 地
大阪府門真市
技   術
所 有 者
株式会社 ホーシン
技   術
開 発 者
株式会社 ホーシン 大分開発部
長岡 隆一

技術開発内容

 現在、地下鉄工事や地下に張り巡らされているインフラの老朽化に伴うメンテナンス工事などの際には、油圧ジャッキが主に使用されている。油圧ジャッキは大きな許容使用圧力を有する反面、製品価格が高額であること、油圧ポンプや油圧配管が必要な上に、設定時の長さの微調整操作も複雑であることなど、油圧ジャッキを数多く使用するアンダーピニング工法ではコスト面、技術面で課題が多い。そのため、複数のジャッキを同時に精密に制御できる、省エネルギー・低コストのメカ式電動ジャッキの技術開発への要望が高まっている。
 本技術開発では、4軸の歯車機構を1本のウォーム軸で回転することが可能なジャッキ機構を考案し、アンダーピニング工法に必要な推力(出力)、耐力を有するメカ式電動ジャッキの実用化開発を行う。推力、耐力はそれぞれ1500N、2000Nを目標としている。図1にジャッキの外観を、図2にネジ軸の機構を示す。1基のジャッキ内に4軸を使用することで推力や耐力を高めるとともに、座屈やよれを防止している。メカ式ジャッキは油圧ジャッキと比較して精密なストローク制御が可能であり、モーター動力線やセンサー信号線等の配線のみで設置可能である点、また、ネジの自己保持により停電時でもストローク位置を保持できる点等が優れている。
 本技術開発により、大きな許容使用耐力を有し、油圧ジャッキより安価で高性能のメカ式電動ジャッキを市場に提供可能となり、現場工事の省エネルギー化や安全性向上が期待できる。さらに本来の目的であるアンダーピニング工法で使用する以外にも、土木建築工事に際し必要とされる各部分の支持や、重量物の持ち上げなどに広く使用が見込まれる。

図

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