新技術開発助成

第95回新技術開発-03

PAD法による赤外線透過光学レンズ成形機の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 プラウド
代表取締役 三浦 美穂子
所 在 地
滋賀県東近江市
技   術
所 有 者
株式会社 村田製作所
技   術
開 発 者
株式会社 プラウド
取締役 八戸 啓

技術開発内容

 赤外線を透過する単結晶ゲルマニウム、単結晶シリコンは、脆性材料であるため研削研磨により赤外線透過光学レンズに加工されていた。これをPAD法を用いることにより従来から光学ガラス用として使用されているガラス成形用超硬型でプレス成形できるようにして赤外線透過光学レンズの低コスト化を図る(PAD:Plasma Assisting Deformation法)。
 半導体結晶体にパルス電流を印加しながら加圧すると、半導体結晶体の融点以下の温度で、半導体結晶のプレス成形が可能となる。このPAD法を用いて、従来のガラス成形用の超硬型をプレス金型として用い半導体単結晶から赤外線透過光学レンズをプレス成形により製造可能とした。
 この時、予熱ヒータにより予めレンズ材料である半導体結晶を加熱し、超硬型と半導体結晶の均熱化を促進した後にパルス電流を印加し、パルス電流経路を安定させることで成形品質の安定性を大幅に向上させるとともにタクトタイムの短縮を可能にした。これにより、パルス大電流を印加する際に発生するスパークや局部発熱がなくなり、これに起因する金型の損傷を回避することを図った。
 車載カメラ、赤外線暗視装置などの赤外線カメラは、生活の安全のために今後の市場拡大が見込まれている。この赤外線カメラのコストの中でも、大きなウエイトを占める赤外線透過レンズのコストダウンが、PAD法を用いることにより実現され、赤外線カメラの一層の市場拡大が期待される。

図

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