新技術開発助成

第96回新技術開発-02

薄膜向流式揮発成分捕集装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
星野科学株式会社
代表取締役 星野 正美
所 在 地
京都府宇治市
技   術
所 有 者
星野科学株式会社
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 食品、芳香剤等に用いられる香気成分を捕集するには大型の装置が必要であった。また、低温で捕集する必要のある場合や、水溶性で捕集後に高濃度に分離するのが難しい香気成分を捕集するには、独自の補集装置が必要であった。これらの香気成分を農産物から捕集する装置の小型化を図るとともに、仕様の変更で各種の捕集が可能となる揮発成分捕集装置の開発を行う。
 水蒸気による香気成分の捕集を行う縦寸法が小型の薄膜向流式揮発成分捕集装置(TLVC)を独自に開発しており、この装置に、さらに「減圧水蒸気蒸留仕様」、「窒素ガス循環仕様」を付加することにより、より広範囲の香気成分の捕集を可能とする。前記薄膜向流式揮発成分捕集装置は、同心に保持された円筒の隙間を螺旋状に原料と水蒸気が交差することにより、水蒸気中に香気成分を分散捕集する構造を有し、原料と水蒸気の交差する経路を長くできるので、装置全体の縦方向寸法を小型化することが可能となった。
 本開発により、水蒸気では捕集効率の悪いワインフレーバー、コーヒーフレーバーの採集は、窒素ガス循環使用により、減圧水蒸気蒸留仕様では、高温では品質が変化する花の香りなどの捕集を小型の装置で可能とするものであり、最近のアロマへの関心による需要、食品への利用が期待される。

図