CARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)やSRS(Stimulated Raman Scattering)等の多光子顕微鏡はサンプルの染色が不要で、生体内で高分解能イメージングが可能であるため、生命科学のみならず、医療や診断への応用も期待されている。従来は光源としてモードロックレーザ励起の光パラメトリック発振器が用いられているが、光源の価格が高く大型のため、多光子顕微鏡普及の妨げとなっている。
本技術は蛍光バイオイメージングへの応用を目指した、波長可変半導体パルスレーザに関し、独自の転置Littman 配置の高出力波長可変CWレーザをパルスカービングの手法で短パルス化し、二波長のパルスレーザを同期可能なシステムとすることで、従来よりも低コストで小型な多光子顕微鏡用パルス光源の実現を目指す。
本技術開発によって低コストで小型な多光子顕微鏡用パルス光源が実現できれば、小型で低価格な多光子顕微鏡が広く普及することが期待される。また多光子顕微鏡の普及に伴って、その応用は生体イメージングや診断、医療に留まらず、微量化学物質の分析や同定、局所イメージング等、産業分野においても応用の広がりが期待される。
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