新技術開発助成

第97回新技術開発-09

静脈麻酔薬プロポフォールモニターの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 汀線科学研究所
代表取締役 下野 彰夫
所 在 地
東京都八王子市
技 術
所 有 者
風間富栄、田北彰、イオニメットアナリューテクゲゼルシャフトミット
ベシュレクテルハフツング、三友プラントサービス株式会社
技 術
開 発 者
株式会社 汀線科学研究所
研究開発主幹 疋田 利秀

技術開発内容

 静脈麻酔薬として広く臨床に使用されるプロポフォールは、 麻酔の導入・覚醒が速やかで、鎮静深度の調節性に優れ、意識の回復が速やかであるといった特長がある。しかしながら、重篤な副作用を示す場合がある。これは吸入麻酔薬と異なり代謝挙動がモニタリングできないことにより、血中濃度管理が麻酔医の経験に依存している点が大きく影響しており、血中濃度の正確な測定が求められている。
 プロポフォールの終末呼気中濃度を0.2ppb以下の感度と1 秒毎程度の高速にモニタリングすることが求められる。本開発では深紫外LEDを17〜34kHzでパルス発振させ、高反射ミラーで構成するキャビティセルに励起光を導入して高ゲインで増幅・変換して濃度計測を行うキャビティ増強蛍光法と、簡便な信号処理の為のヘテロダイン検波・擬似サイン波復調法という二つの新規技術を開発して実現する。
 臨床用途の非侵襲プロポフォール血中濃度モニターが実現できれば世界初となる。ブレスバイブレス法により、時々刻々変化するプロポフォールの終末呼気濃度を測定し、血中濃度に変換して監視に供する。これにより麻酔医の経験を補う個別化医療対応の投与管理が行えることとなり、プロポフォールの用法の安全性に大きく寄与し、最終的には国民の生命を守るという高い社会性ならびに公益性が期待できる。

図

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