新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 024

第86回 平成22年度第2次助成テーマ

完了認定 平成24年10月
代表取締役 道 脇  裕
代表取締役
道 脇  裕
企業名 株式会社NejiLaw
会社概要 資本金 :1000万円
従業員 :10名
事業内容 高機能締結部材の発明・開発・製造・販売・ライセンシング
助成テーマ名 完全な緩み止めと繰り返し使用が可能な締結制御性ねじ締結体の開発

開発技術の概要

1.技術背景
 ねじ締結体は、物と物とを固定するものであって、緩みなどあってはならない。が、実際には自然状態においてもまして振動が発生する箇所や温度変化の顕著な箇所にあってはなおのこと緩みが生じ、死傷者を伴う事故が後を絶たない。この問題に鑑み従来多くの緩み止めと称すねじ締結体が提案されている。それらの殆どは緩み抑制の原理が摩擦力に依存した物で、いずれも緩みを完全に防止したり、緩みを制御すること、即ち緩んではならない時には緩まず、緩めたい時にのみ緩めることを可能とすることは出来なかった。このため、21世紀の今日においてさえもねじ締結体の緩みに起因する事故やその事故を防止するための保守管理が行われ、膨大なコストがかかっていて、緩みを制御できるねじ締結体が強く求められている。
2.技術概要
 本開発技術は、右ねじ構造と左ねじ構造を併せ持ったL/Rボルトに、右ねじナットと左ねじナットから成るL/Rナットを組み合わせて構成され、L/RボルトとL/Rナットとの機械構造的結合と、右ねじナットと左ねじナットとの機械構造的結合と、を一体的に行うことによって摩擦力に依存しない機械構造的結合に緩み止めの原理をおき、緩みを完全に防止するのみならず、取り外したい時には緩めることを可能とするものである。
3.効果
 本技術が確立することにより、
(1) ねじ締結体の組み付け作業の容易化による作業時間の短縮と高度な締結技能の不要化
(2) ねじ締結体自体の緩みの完全なる発生の防止
(3) ねじ締結体の緩みに伴う増し締め作業等の保守管理の費用軽減
が実現でき、ねじ締結体が抱えてきた根本的な課題・問題点を解消することが出来る。
 ゆえに、自動車、特殊車両、鉄道、航空機、ロケット、船舶等の乗り物や橋梁、建造物、原子力発電所、鉄塔等の社会インフラなど本技術の市場投入により、ねじ締結体の緩みに起因する事故の未然防止及び事故に伴う損失の回避など安全安心性の高度化を果たしつつ、緩み点検や増し締め作業等のメンテナンスコストの軽減、ねじの緩みを想定したための重層化した設計の回避、製品信頼性向上などの経済的・社会的メリットをもたらすことができる。
4.課題と解決
 JISねじ対応の構造で製作した機能試作品においては、単品でナットを組み付けた場合、従来ねじに比して約50%の軸力低下が確認されていた。
 そこで、耐衝撃振動性能の低下を来すことなく従来ねじ同等以上の強度を達成することを目標として本開発を推進し、1,000種類を超える様々なテストピースによる破壊試験等を実施・解析することで最適構造を導出した。
 また、本開発においてロック性能の向上を図るため、従来のねじ緩み試験装置では連続計測可能時間が余りにも短か過ぎるため、長期間の連続使用に耐える衝撃振動試験装置を独自に開発した。同時に100dBを超える試験騒音に対応するための超高性能な防音・防振室の開発も行い、各種テストピースを用いた衝撃振動試験でその有効性が実証された。

これからの計画

汎用化を進めることはもちろんであるが、個別の問題に対応してゆくことも技術の宿命であると考え、個々の要求に答えられる体制づくりを進める計画である。

企業からのお願い

緩みのない世界を共に構築しましょう。

問い合わせ先 E-Mail:info@nejilaw.com
TEL:03-5579-6481
FAX:03-5579-6482
URL:www.nejilaw.com