復興支援新技術開発助成

復興支援新技術開発-05

新製造法による被覆除去機能付マグネットワイヤ用圧着端子の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 岩沼精工
代表取締役   千葉 厚治
所 在 地
宮城県岩沼市
技   術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

【技術開発内容】

 年々普及するハイブリッド車や電気自動車は、その内部配線に多数のコネクタ部を必要とする。特に、モータや発電機のマグネットワイヤとインバータとの接続に用いられる端子は、マグネットワイヤの被覆を剥離した後、マグネットワイヤと溶接または半田付けが成されている。本技術開発ではこうした状況において、溶接焼けや電線劣化、半田フラックスや被覆剥きカスを生じさせず、確実に導通を確保する絶縁被覆除去機能付圧着端子を、新しい金型およびプレス加工法の確立により開発する。
 マグネットワイヤの絶縁被覆を除去して確実に圧着するために、絶縁被覆を除去するセレーション(歯状の溝で先端部に鋭角な突起を持つ)が内側に形成された圧着端子(図1)をプレス成形により製造する新工法を確立する。セレーションをプレス金型に内蔵したカッターを用いた切削により形成するが、形成されたセレーションは鋭いエッジ部を形成し被覆を確実に貫通できる機能を有する(図2a)。また、セレーション形成と端子形成を行う両プレス送り方向は一致しており(図2b)、その後のメッキ工程を含め、全体がスムーズにつながる一貫した新しい製造工程を構成する。
 ハイブリッド車や電気自動車の普及に伴い、ワイヤ結線作業は増大する一途を辿り、その高信頼化と作業性の向上は一層強く求められる。本技術開発により開発される圧着端子は、セレーションが円環状に絶縁被覆を貫通することで、確実に導通を確保するとともに高耐張力を有し、端子との接続の高信頼化に著しく貢献することが期待される。さらに、過酷な使用環境に置かれる工作機械や産業用ロボット、鉄道や航空機、ビル・工場内機器などの電動機の結線にも広く応用が期待される。

図