第52回 市村学術賞 本賞 -01
超イオン伝導体創成と全固体電池開発
技術研究者 | 東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 菅野 了次 |
推 薦 | 東京工業大学 |
研究業績の概要 |
受賞者は、固体においてイオンが高速で拡散する材料「超イオン伝導体」の新規開拓に携わり、固体でありながら液体を上回るイオン伝導率を有するという、従前の科学的常識を覆す革新的なリチウム超イオン伝導体LGPS(リチウム・ゲルマニウム・リン・硫黄で構成される材料)とその関連物質を創成することに成功した。さらに、創成した超イオン伝導体LGPSを固体電解質として用いた全固体電池が、幅広く実用用途に供されている液体電解質を用いたリチウムイオン電池を大きく凌駕できる蓄電・高出力特性を有することを世界で初めて実証する成果を得た。この成果は、純粋サイエンスの観点からみた斬新さと将来性の提示に留まらず、世界中で全固体電池の開発競争を開始させることとなった。
|