新技術開発助成

第103回新技術開発-06

薄膜材料用超高感度水素検出装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 ユニソク
代表取締役 宮武 優
所 在 地
大阪府枚方市
技 術
所 有 者
国立大学法人 東京工業大学
技 術
開 発 者
株式会社 ユニソク 開発部
部長 岩谷 克也

技術開発内容

 近年、薄膜を活性領域とした電子デバイスの新材料開発の分野において、デバイスの表面・内部に存在する微量の水素がそれらの特性に大きな影響を及ぼすことが明らかになってきた。特性をコントロールする為には水素の定量的な評価が必要であるが、最も軽元素の水素は従来より微量な検出が難しかった。そこで本技術開発では昇温脱離ガス分析法(Thermal DesorptionSpectroscopy:TDS)を用いて、世の中に存在する測定手法より2-3桁感度が高い1016個cm-3の水素を検出可能なTDS装置を実用化するものである。
 高感度化するために必要な技術はTDS法の検出シグナルの理論式より、低い残留水素分圧と低い排気速度を達成することが有効であることが分かっている。そこで、低い残留水素分圧を実現する為に、熱絶縁された試料ステージに配置した試料だけを赤外レーザーで非接触に加熱する機構と、超高真空を保ちながら低い排気速度を実現する為のオリフィスを設置したタンデム型ターボ分子ポンプ(図1)を開発する。その他、申請者が保有の超高真空技術のノウハウを適用する。試料を高速に温度制御することも感度には重要で、装置全体としてのシステム制御設計を行い、図2に示すような解析結果を得ることを目標とする。
 Si半導体業界で苦戦している日本において、今尚、酸化物半導体・有機半導体・ワイドバンドギャップ半導体など、材料開発を伴う半導体領域ではトップランナーである。その技術を支える桁違いの感度を持つ分析技術の開発は大変価値がある。

図

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