新技術開発助成

第104回新技術開発-05

新規レーザ位相差顕微鏡の開発

技 術 開 発
契 約 者
有限会社 高度技術研究所
代表取締役 清水 勲
所 在 地
茨城県ひたちなか市
技   術
所 有 者
有限会社 高度技術研究所
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 近年のバイオテクノロジの発展の中で、生体細胞等を生きたまま高解像・広視野で観測可能な顕微鏡の開発が期待されている。特に細胞は透明であることが多く、従来は染色処理や凍結処理等が必要であり、生体の微小な変化を実時間で計測することが困難であった。
 申請者らは原理検証として、位相差顕微鏡の照明にコリメートしたレーザ光を用い、独自の位相差フィルタと光学系を工夫することで、深い深度での透明物の検出を実現した。この原理検証機を用い、大学との共同研究を進めることで、肺がん細胞の経過時間ごとの形状変化や血球の内部構造の計測等を実施、独自の特許として3件の登録査定を受けている。
 本助成での申請は、これら原理検証を受け、よりコントラストの高い広視野、高倍率のレーザ位相差顕微鏡の商用ベースでの実現を目的とする。そのために、光学系のさらなる改良、駆動機構の高精度化、除振機能の構築等の課題解決を目指す。
 これら技術開発により、これまで困難であった透明細胞等の非染色観測を高コントラスト・高解像で実現し、三次元的な動画像で取得することが可能となる。
 本装置の実現により、基礎研究段階である細胞エンジニアリングへの適用を進めることで、血球やがん細胞、iPS細胞等の基礎研究での検査、さらに創薬分野での検査装置等への応用が期待される。これら装置を従来より安価に実現することで、日本のバイオ技術への貢献を目指す。

図

図