新技術開発助成

第99回新技術開発-06

天然歯と同等の生理機能を実現する医療機器、バイオインプラントの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 オーガンテクノロジーズ
代表取締役 杉村 泰宏
所 在 地
兵庫県神戸市
技 術
所 有 者
株式会社 オーガンテクノロジーズ
技 術
開 発 者
株式会社 オーガンテクノロジーズ 開発部
開発部長 岡本 尚一

技術開発内容

 喪失歯の治療の中で、インプラントは健全歯に侵襲を与えずに、天然歯と同等の審美機能と咀嚼機能を有する点で優れている。しかし、現在のインプラントは歯槽骨と直接結合しており歯周組織が欠落している。そのため、天然歯がもつ生理機能がないことに起因するトラブルも少なくない。天然歯が有する生理機能を包括的に再生する歯科再生治療技術が望まれている。
 本申請では、歯周組織を有するインプラント(バイオインプラント)の開発を目指している(図1)。本開発は、歯根膜組織とメカニカルストレスを利用する独創的な原理に基づく。インプラント体を抜歯窩に固定し、抜歯窩に残存した歯根膜組織中の歯根膜幹細胞の成熟や繊維形成を促すことにより歯根膜組織が再生され、インプラント体が生着する(図2)。生着したインプラントの周囲には歯周組織が形成され、再生歯周組織にレシピエント神経が接続するため、従来にない天然歯と同等の生理機能を有するインプラントの開発が実現する。
 今回開発するバイオインプラントは、天然歯と同等の生理機能(歯根膜機能および知覚機能)を回復するという点で、既存のインプラントには無い性質があり革新的である。望まれている次世代歯科再生治療法の確立に大きく貢献する技術である。日本発の革新的な医療機器の開発であり、社会性と公益性は絶大であると考えられる。

図

図