受賞団体訪問
生徒も参画して制定した「まごころ」。 その生徒が輝くために労を惜しまない |
第45回(平成26年度) 優秀団体賞 愛知県刈谷市立朝日中学校 |
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全校生徒を代表してアイデア創出について話してくれたみなさんをはさんで、宇津野校長(右)、小川教務主任(左) |
人の役に立つ、喜んでもらえる… 自信・プライドを高めた自分を好きになる |
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全国から過去最多の26,737名、26,761件の応募を集めた第45回市村アイデア賞では、応募団体数も最多の272団体を数えました。その中で、優秀団体賞に選ばれたのが、個人賞でも6名が入賞した愛知県刈谷市立朝日中学校(以下朝日中)です。![]() 「夢とプライド、そして心を育てることが柱。生徒が思いやりの心、感謝の心、自分や人を愛する心を大切にし、何事にもあきらめずに挑戦し続けることを願っています。そして進んで人の役に立つ生徒に育てたい」と宇津野校長。
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わくわく感、探究心をかき立てる授業、いま全教科に波及し成果拡大 |
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刈谷市は自動車関連産業の集積地として発展を遂げるに伴い、"科学する心を育てる"風土が根づき、市や各学校、さらに家庭においても科学・技術教育に力を入れていることで知られます。その中で、「生徒たちが輝くために労を惜しまない」という伝統を築いてきたのが朝日中です。特に理科の教師たちの思いは強く、例えば電流と回路がテーマの授業では、教師自らが教材を手作りし、それに様々な電気器具を接続。異常電流が流れた時に電流の回路を絶つブレーカーの機能を見せて理解させるなど、「今日は何が出てくるのかな」という生徒たちのわくわく感、探究心をかきたてています。 理科を担当する小川明宏教務主任は、「教科書を覚える以上に、科学が好きな生徒を育てたいと思っています。それに向け科学発見カード等を用いた『調べ活動』を展開しています。これは授業の枠を超え、身近な生活はじめあらゆる場面で興味を持った現象の、なぜそうなのかを自発的・自由に調べまとめるもので、随時掲示し発表させています」。 こうした教育姿勢・指導手法は他の教科にも波及、成果を拡大しています。「まさに教師が命を燃やすとき、子どもの命は自然に燃えてくるのです」(宇津野校長)。
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参加の入り口が多様な市村アイデア賞 全校生徒の9割超が応募 |
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「発想し、調べ、結果をまとめる。そしてそれが認められることで当校が大事に考えている自信を育てる機会ともなっている」と宇津野校長が評価する市村アイデア賞には創立時から参加。いまや応募と表彰者輩出の常連校となっている朝日中は、生徒の応募率が高いのが特徴です。今回も9割を超える生徒が様々なアイデアを寄せてくれました。例えば、
「理科研究は得意だが工作は苦手、生活に便利な物を作った、実現したい夢がある、発明に興味津々…市村アイデア賞にはそんな生徒たちに多様な参加の入り口があります。これを活かしつつ、部活動での全国制覇はなかなか難しいが、個人や団体で全国のトップに立ち、東京での表彰式に招待される可能性があるよと応募意欲を刺激しています」(小川教務主任)。
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「あつく さわやかに ひたむきに」… あふれる自治精神でますます輝く |
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アイデア創出もさることながら、取材を通じ強く感じたのは生徒の自治精神。校訓制定への参画やボランティア活動の企画はもとより、いま目につくのは「無言清掃」。黙って清掃しようでなく、何でも一生懸命やれば、無駄なおしゃべりする暇などないという考え方で、生徒会・級長会が提案したものです。 また結果を出そうと努力する仲間の活動を精一杯のまごころで盛り上げようとする姿。平成17年、生徒会の発案で在校生作詞、卒業生作曲の応援歌(仲間を信じ進みゆく まごころ胸に勝利を目指せ:歌詞の一部)を作りました。この応援歌を背に、体育系・文化系の部活動は市・県の諸大会で毎年多くの好成績を積み上げています。そこに加わったのが創立20周年を記念し全校生徒による投票で選んだマスコット「あさだま」。応援旗等に描くだけでなく、日頃「あつく さわやかに ひたむきに」頑張る仲間を互いに応援し合うシンボルになりました。まごころ活動に、アイデア創出に、ますます輝く朝日中!です。
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