受賞団体訪問
| 地域で培われてきた科学への興味とのびのび育つ生徒の自主性 |
| 第56回(2025年度)優秀団体賞 個人賞3作品受賞 愛知県安城市立 篠目中学校 |
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個人賞受賞の生徒たちと、山本健一校長(後列左端)、理科主任の柴田佑騎教諭(後列右端)。
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バランスのとれた暮らしやすい町 |
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2025年度の第56回市村アイデア賞は、全国から35,512件という前年度を大幅に上回る応募をいただきました。今回、愛知県安城市立篠目中学校(以下・篠目中)が、初の優秀団体賞と3人の個人賞を受賞されました。 篠目中のある愛知県安城市は愛知県の中央部に位置し、水利に恵まれ県下有数の農業地帯であり、以前は農業先進国のデンマークになぞらえ「日本のデンマーク」とも呼ばれていました。また周辺の豊田市、刈谷市とともに自動車関連産業を中心にした一大工業地帯として多くの大工場が存在しています。 篠目中はその安城市の西部、市街地を抜けた田園に面した場所に位置する生徒数645名の中規模校です。学校や地域の特色をお聞きしたところ、「ここは名古屋など近隣都市への便もよく、若い世代の転入者も増えてきています。また農業・工業・商業のバランスがとれた地域で、田舎でもなくかといって都会すぎることもない住みやすい町です。それもあって生徒たちがのびのび成長できる環境だと思います」と山本校長は語ってくれました。
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子供たちに根付く「かがくのひろば」の存在 |
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安城市には多くの市村アイデア賞の強豪校が存在しています。その中で、篠目中は長年にわたり毎年市村アイデア賞に応募され、これまで8人の個人賞受賞者を輩出しています。生徒だけでなく、指導される教員の方々も変わっていくなか、高いレベルで応募を続けていける理由を尋ねたところ、理科主任の柴田教諭は「市村アイデア賞への取り組み方は、正直担当する教員によって変わってくると思います。ただ、安城市では『かがくのひろば』という科学賞を毎年冬に開催しています。生徒たちは『実験観察の部』と『発明工夫の部』のふたつの部門のどちらかを選んで、夏休みの課題として取り組んでいます。この『発明工夫の部』に参加する生徒には、市村アイデア賞への応募用紙も提出するように指導しています。長年応募を続けられているのは、この『かがくのひろば』との連動ということも一因としてあるかと思います」と語ってくれました。 安城市の「かがくのひろば」は、今年度で62回を数える歴史ある小中学生を対象とした科学賞作品展です。この「かがくのひろば」の存在により安城市の小中学生にとっては「発明工夫の部」と連動して市村アイデア賞への応募は当たり前のものになっているのでしょう。また「発明工夫の部」は実際に工作をすることも求められています。このあたりも安城市全体の作品レベルの高い理由なのだと感じました。
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夏休みだからこそ生徒の自主性に任せる |
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篠目中では毎年夏休み前の7月初旬に、全学年の生徒に「かがくのひろば作品募集について」というプリントを配布します。その際に市村アイデア賞の応募用紙も書いてくるように伝えているそうです。理科の授業で余裕がある場合は、アイデアなどについての相談には乗るそうですが、基本的にテーマの選択や発想は生徒の自主性に任せているとのこと。「夏休みだからこそ、生徒の自主性に任せていければと思っています。放任と言われたらそうなのかもしれませんが、考え方だけは伝えて、後は生徒たちが自分で考えて面白いものを作ってくれればよいと思っています」と柴田教諭。また「課題を見つけて、試行錯誤しながら実際に物を作っていく。失敗してももう一回練り直して再びトライする。そういう将来につながる考え方や振る舞いが、この夏休みの作品が誕生する背景にはあります。市村アイデア賞への応募を通して、生徒たちが身につけるのはそういう力なのかと思っています」とも語ってくれました。 長年続く「かがくのひろば」の存在によって、地域の子供たちの中に培われた観察や発明、工夫、工作など科学への興味と力。そして生徒の力を信頼して見守る指導者の先生方。冒頭の山本校長の発言にあった「のびのび成長できる環境」がまさに篠目中にあることを実感しました。 最後に山本校長は「中学校義務教育の中で学ぶことというのは、すぐに活きる内容と、そうでないもののふたつがあると思います。特に後者については、生徒たちが将来どこかのタイミングで、中学校のときの授業を思い出して、その気づきの時点でその子の力になり、自分の進路を決めていく助けになるように、我々は考えて取り組んでいかなければいけないと思っております」と語ってくれました。 |
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個人賞受賞のみなさんにお聞きしました |
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(取材日 2026年2月12日 愛知県安城市)
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