1.開発の背景
フラットパネルディスプレイ(FPD)の大型化・需要拡大に伴い、液晶パネル製造のセル組立工程において、液晶滴下工法(ワンドロップフィル(ODF)工法)による高精細大型パネル向け量産技術の開発が必要となった。また、スマートフォン等の性能向上・高精細化に伴い、薄型・狭額縁・高応答などの高付加価値化が求められる様になり、高精細パネル製造用の滴下技術と液晶塗布装置の開発が必要となった。開発の結果、セル組立工程において世界で初めてインクジェットによる高精度・極微量液晶塗布技術を適用し、4K・8K等高精細パネルの量産化・世界的普及に貢献した。
2.開発技術の概要
高粘度な液晶材料を、極微量かつ高速・高精度で安定塗布を可能とした滴下技術の開発と、液晶滴下用インクジェット塗布装置を開発した。本技術の適用により、滴下量の極微細化(従来方式比≒1/10,000)と高速塗布化(従来方式比≒1,000倍)を実現した。また、配向ムラ(表示ムラ)等の課題を解決すると共に、生産効率向上および良品率向上する技術を開発・実用化し、品質・コストおよび省エネの面などにも寄与した。
3.開発技術の特徴と効果
本技術は4K・8K高精細大型TV用液晶パネルのみならず、モバイル、タブレットおよび車載用液晶パネル等の普及に寄与している。また、スマートウインドウ、広告用大型パネルおよびフリーフォーム液晶パネル向け等、今後、ますますその重要性が高まる。
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