第47回 市村学術賞 功績賞 -01
高効率な医薬品製造を可能にした革新的脱水縮合反応の開発
技術研究者 |
東京理科大学 理学部応用化学科 |
推 薦 | 東京理科大学 |
研究業績の概要 |
人類が医薬品として利用する物質のほとんど全ては有機化合物である。大気中の二酸化炭素が光合成を通じて有機物へと変換され、これをもとに現在の生物世界の根幹をなす脂肪酸やアミノ酸が生合成によって得られている。面白いことに、光合成は二酸化炭素と水を必要とするのに対し、脂肪酸やアミノ酸が高次構造を獲得してさらに高い機能を発現する化合物(脂質やペプチド)に変わるためには分子間で脱水縮合しなくてはならないことが多い。動植物は酵素を巧みに使ってこの反応を体内で実現しているが、人為的な技術を用いて有機物から水分子を除去し結合させる方法には未だ改善の余地が残されていた。受賞者は付加価値の高い医薬品などの有機化合物を収率良く生産する手段の開発を目指し、(i)世界で最も速く進行する脱水縮合反応ならびに(ii)世界初の発明である不斉脱水縮合反応の開発に成功した。
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