昨今、パソコンをはじめとした電子機器の高性能化、小型化、軽量化が急速に進行しており、これに伴ってそれらの部品についても小型化、薄型化が強く求められている。そのためこれらの部品を大量かつ均一にめっき処理を施すことを可能とする技術開発の重要性が高まっている。
このような背景を踏まえて、本技術開発では横サイズが約1mm角、厚みが数十μmの次世代小型・薄型電子部品を一度に50万個〜160万個処理し、ナノメートルオーダーの均一な金めっき皮膜を形成する技術の確立を狙いとする。現行技術では大量の小型部品のめっき処理はバレルと呼ばれる円筒容器内に入れてめっき液中で回転させる方式が広く用いられている(図1左)が、上記のような超小型・薄型部品については均一なめっき処理が困難という問題に直面している。そのため、本技術開発においては円筒型バレルの両端を絞ってラグビーボール型にすることにより部品の横方向の移動を促進させて撹拌性を改善するとともに、バレル内壁に現状用いられているダイヤカット状内面に代えて、メッシュ構造を採用して(図1右)、小型部品が重なることによるめっきむらが生じることを防止する。これらのバレルの改造に合わせて、めっき液濃度、電流・電圧条件などを最適化することで、上記の技術課題を克服し、目標を達成することを目指す。
本技術開発により小型・薄型の電子部品への均一めっきと安価な大量供給が可能となれば、現代社会を支えるエレクトロニクス、インターネットなどの進展を下支えすることにつながると期待される。
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