光熱費が大幅に節約出来るため遮熱ガラスは最近急速に普及しつつある。これはガラス表面に銀などの金属薄膜を成膜する方法が主でLow-E ガラスと呼ばれている。しかし、金属薄膜であるため、電波障害が発生したり、反射が激しいため光害が発生したりと、問題が指摘されている。そこで、電波障害や光害が発生しない遮熱ガラスの製作が求められている。
本新技術は、タングステン酸化物微粒子をガラス表面に塗布するという、新しい手法による遮熱ガラスの製作に関するものである。図1に示すように、Low-E ガラスとほぼ同等の遮熱効果を示しながら、金属薄膜ではないため電波障害や光害は発生しないなど、優れた性能を示す。図2に示すように、制作工程はタングステン酸化物微粒子を含む塗料を塗布するだけと簡便であるため、製作コストが抑えられるなど利点が多い。加えて、現場施工による複層ガラス化も独自技術により取り組んでおり、タングステン酸化物微粒子を塗布したこの遮熱ガラスの応用範囲はとても広い。
この新しい遮熱ガラスは、一般に複層ガラスとして用いられる。新規施工現場に向けては複層ガラス製品として販売を計画している。一方、既設の単層ガラス窓に対しては、現場施工により複層することが可能な商品「アトペア」の開発も計画されており、すでにある窓を簡単に遮熱効果の高い複層ガラス化することができる。光熱費節約のため、建物の断熱効果向上のニーズは高まっている。エコ社会実現に向け本技術開発は大変重要である。
|