本開発技術は、光通信分野で大きく期待されているSi フォトニクスに関し、課題であるデバイスの評価時間の短縮が可能な評価装置の開発を目的とする。今後、進展する本分野の開発を加速するために重要な評価技術開発と位置づける。
シリコンフォトニクスでのファイバーとのカップリングは今後ウエハー集積が可能な図1.に示す表面入出射方式(Grating Coupler)に移行してことが予想される。従来の端面入出射方式では、端面にファイバー端を配置し機械制御により位置あわせを行っていたが、シリコンフォトニクス導波路のコアサイズが0.3μm×5μm 程度と非常に小さいため、位置合わせにかなりの時間を要していた。本開発の特徴は、従来の機械あわせでの光軸調整を、顕微鏡型光学系とカップリングした光学系(特許取得済み)と画像処理での自動化により実現する点にある。
本方式の模式図を図2.に示す。単一光学系内に全ての機能を配置することが特徴で、サンプルの状態を観察することで位置あわせ時間を大幅に短縮し、さらに他社の検査装置やプロバー等への組み込みも可能なコンパクトなシステムとなる。技術的には専用レンズの設計で、開口が大きく、計測範囲の広い、テレセントリック光学系を実現できるかが一番の課題となる。
光インターコネクション分野では、光配線導波路の量産用高速検査装置で既に数社に複数台の納入実績を持っており、シリコンフォトニクス光計測に関する標準化等へ関与してきた。本開発により、さらに充実した光計測製品群を構築することで、さらなる社会への貢献を行う。
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