新技術開発助成

第102回新技術開発-08

放電可視化システムの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 オーケー社鹿児島
代表取締役 中村 伸一
所 在 地
鹿児島県鹿児島市
技 術
所 有 者
株式会社 オーケー社鹿児島
技 術
開 発 者
株式会社 オーケー社鹿児島 製品開発部
部長 川辺 健一

技術開発内容

 電子デバイス製造、フィルム製造等、静電気放電破壊が問題となる業界は多く、産業上での損害のみならず、放電による引火など日常において静電気またそれに起因する放電は各所で問題とされている。しかし、放電現象を感知するだけでは具体的な対策が打てないため、放電の発生位置を正確に捉え、放電の特性を明確化する技術が期待されている。
 放電現象は電磁波と紫外光を生じさせることが分かっている。そこで、図1に示す放電分析部に備えた指向性を持たせたアンテナで電波を捕捉、トリガー信号とし、放電撮像部にて紫外光画像と可視光画像をプリズムで分光し、同時に取得することで、図2のように放電現象の発生位置を目視可能な状態で検出することができる。これまで放電の可視化、位置検出は、複数本のアンテナで電磁波を検知し、各アンテナでの検出タイミングの時間差から位置検出を実施する方法や、静電容量型のセンサを一方向に整列し、対象物に外部から電気信号を加えながら整列方向に垂直に移動させる方法などを用いて行われていた。前者はその精度は数cm程度と粗く、電磁波の壁からの反射を誤検知するなど信頼性に欠け、後者はリアルタイムに対象物全面を監視することは不可能である。本方式は対象物上の放電位置をmmオーダーで検出可能であり、さらに、放電電圧の表示、放電モードの自動判定が可能であり、放電の特性を詳しく分析することが可能である。
 本放電可視カメラにより、これまで不可能であった放電位置の高精度位置検出が可能となり、放電が発生した対象の分析により、工程や部品品質の改善等、次のアクションへのフィードバックが可能となる。また、可搬性が高いことから、電力インフラの検査など多様な現場に展開可能であり、自動化工程から人の目視確認が必須の現場まで網羅できる技術である。

図

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