新技術開発助成

第104回新技術開発-07

意匠性の高い金属製品を製作する金属板3D造形加工機の実用化開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 吉野機械製作所
代表取締役 吉野 有信
所 在 地
千葉県千葉市
技 術
所 有 者
関口 明生
技 術
開 発 者
株式会社 吉野機械製作所 経営企画室
室長 岩上 實

技術開発内容

 工作機械の市場では従来の工場用の大量生産を志向したものから、意匠性の高い金属製品を製作する個人事業主や、3Dプリンタなどによるデジタルファブリケーションを行う層をターゲットとした小型で多品種の加工が可能な造形加工機が求められている。
 本技術開発では、一台の機械で金属板材の塑性加工法である「スピニング加工(へら絞り)」、「逐次張出し成形」、「弾性体反力逐次張出し成形」が可能で、複雑な3次元立体造形が創作できる金属板3D造形加工機を開発する。「弾性体反力逐次張出し成形」とは金属の板材を弾性体上に固定し、棒状工具で押圧しながら動かすことで、押圧方向と逆向きに形状が張出される加工方法である。本加工法は金型無しで波頭形状等の難加工形状を加工できるが、これまで研究レベルでしか試行されていなかった。本技術開発では、弾性体反力逐次張出し成形で扱える材料を増やす為、材料を変えた場合の加工パラメーターを抽出し、一般ユーザーの利便性を向上させる為、CAD形状から加工時の軌道計算を自動化する。
 3Dプリンタの出現により樹脂材料の造形に関しては、個人で作製可能なものの幅は飛躍的に広がってきたが、金属材料においてはまだその限りではない。本技術開発により、一般ユーザーが金属板の塑性加工を気軽に利用し、意匠性の高い金属板造形を個人で製作するといった全く新しい世界が出現してくる事が期待される。

図

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