EV(Electric Vehicle)化が進むにつれ、ワイヤーハーネスに流れる電流値が増大する。このワイヤーハーネスによる電力損失を低減し、同時にワイヤーハーネスの軽量化を図るために太いアルミのより線が使われるようになっている。今回の開発は、このアルミ線の端子接合部での抵抗値を下げることを目的としている。
従来は、端子と素線間を、超音波接合、カシメなどにより接合していたが、より線の内部では、素線間での結合が充分でなく、素線表面の酸化膜が残ることにより抵抗値が増加していた。また、ヒュージングでは、素線がアルミ、端子が銅ということで融点が異なり採用することが困難であった。今回の開発では、端子上に載置されたアルミのより線に、より線側から荷重を掛ける事により、より線をつぶし、その後荷重をかけたより線側と、端子側の2方向から超音波を印加することにより、アルミ線表面の酸化膜を除去してアルミ線間を隙間なく接合する。この酸化膜を除去してアルミ素線間を接合し、このアルミ素線が端子に接合されることで端子周辺での導電率の低下が防止される。
荷重をかけながら超音波を印加して金属間を結合する同社独自の技術は、低抵抗での接合を求められる分野への波及も期待される。
(図2は、端子側から超音波が印加される前までの変化を示す
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