本件は、次世代の自動車産業や、半導体産業、電子デバイス産業で用いられる微細加工のためのファイバーレーザーの発振器にかかわる提案である。レーザー加工は、次世代の産業基盤として重要な技術であり、我が国の産業における重要な役割が期待されている。
提案では、超短パルスレーザーと呼ばれる、1秒の10の12乗分の1以下で発光する特殊なレーザーを安定に発生する製品を実用化することを目的としている。パルス幅が短く、電場強度の高いレーザー光は、物体との相互作用で、非線形光学効果と呼ばれる複数の光子が1度に吸収される現象が起こり、加工物を構成する原子間の結合を熱ではなく光の電場で切ることから熱の影響が極めて少ない微細な加工が可能となる。こうした、光源を実現するために、従来は共振器内にSESAMと呼ばれる可飽和吸収体を入れる技術が利用されてきた。本提案では、2つの波長帯を結合させる波長フィルター、偏波保持光ファイバーを利用したモード同期技術を導入することにより、安定かつ安価な発振器を開発するものである。
次世代ものづくり技術として注目されているレーザー加工機を実現することにより、我が国のものづくり産業の新しい基盤が構築される。
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