ホログラムは、透明な薄い材料内に記録された画像情報を、光を曲げたり、結像させたりすることにより再生できる媒体である。その多くは、反射光により画像を再生させることで、模倣品対策のためのシールやノベルティなどに利用されている。しかしながら、照明光源との位置関係が決まらないと再生画像がうまく見えないことや、再生画像の明るさの問題からカラー化は難しく、ホログラム本来の特性を生かしきれず、広範囲に応用するには制約があった。
本新技術開発は、こうした課題に対応する導光板型ホログラムを量産化するための独自技術の開発に関わる。導光板型ホログラムは図1に示すように、ホログラム媒質(「エッジリットホログラム」と表記)を導光板(「透明平行平板」と表記)に接合した構造を有している。ここで、LED光源アレイからの光を平行光化HOE(ホログラム光学素子)により導光板内部へ入射し内部反射光としてホログラムを裏面から全面に亘り照明することで、明るいカラー再生画像が得られる。本導光板型ホログラムは、ホログラムマスターから再生される画像情報が感光媒質内部に記録されることで複製されるが、マスターに全反射角で光を入射する独自手法の具現化とともに、複製の効率化、複製ホログラムの定量評価技術と装置化に関わる新技術開発を進める。
導光板型ホログラムは薄く、通常は透明で既存の表示器と重ねて使用でき、必要な時に導光することで既存の表示器の上に必要な情報を鮮明に表示できる新しい表示デバイスであり、各種計器や非接触タッチパネル、信号機、標識など産業応用は広範囲にあり、新規産業創出への貢献が期待できる。
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