新技術開発助成

第108回新技術開発-07

広視野ナノ粒子動画計測システム

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 生体分子計測研究所
代表取締役 岡田 孝夫
所 在 地
茨城県つくば市
技   術
所 有 者
株式会社 生体分子計測研究所
技   術
開 発 者
株式会社 生体分子計測研究所
常務取締役・事業部長 森居 隆史

技術開発内容

 直径1μm以下の気泡であるウルトラファインバブル(UFB)の計測評価方法に関する技術開 発である。UFBは優れた洗浄能力を始めとした特性を活かし様々な製品で実用化されている。しかしながら、UFBの効能はマクロな現象としては認識されている一方で、ミクロの作用メカニズムは不明な部分が多い。そのためミクロのUFBの計測方法、特に従来手法で計測できない粒径が60nm以下の微細なUFBの計測技術が求められている。
 株式会社生体分子計測研究所が2021年4月に製品化したUFB計測用の高速原子間力顕微鏡(高速AFM)NP-NEXは従来計測されていた粒径に加えて、粒径60nm以下のUFBの計測を可能にした。しかし、その計測範囲は2μm×2μmである。この範囲では高濃度UFB水の計測が可能であるが、実際に利用されている中〜低濃度のUFB水の計測は難しい。本技術開発では計測範囲を広げるために既存製品の高速AFMのスキャナをタイル状に移動させる機構を追加する。スキャナの可動域を広げるにはスキャナが観察試料にぶつからないようにZ方向の可動域も広げる必要がある。また、取得データ量が増加するため、データ解析ソフトの改良が必要となる。
 本技術開発によって、計測範囲を数十倍以上に拡張することで、中〜低濃度のUFB水でもバブルの検出が容易となり、計測が可能となる。これにより、これまで明らかにされていなかったUFBのミクロな作用メカニズムの解明が進展することが期待できる。また、高速AFMの計測範囲が広がることで、UFB以外の微細な粒子の計測が可能になり、新しい分野での活用が期待できる。

図
 
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