再生医療等のバイオ研究において、細胞を適切に操作することは重要な課題である。これらの細胞操作において、従来は研究者の手作業によって行われることが多く、作業に多くの時間が費やされ、コンタミの混入等の問題があった。本開発は、これら細胞操作過程において、不要な細胞の除去を自動化することで開発の効率化を行うことを目的とする。
本開発は従来の手作業工程を顕微鏡取り付け型のレーザ光走査システムによって代替/自動化する。本技術の特徴は、図1に示す培養液と細胞界面での特定波長での急激なレーザ吸収による細胞死滅のメカニズムの発見にあり、これにより従来困難な小型/低コストシステムの実現が可能となる。実験室環境で研究者個人が容易に使用できる環境を実現するため、既存の顕微鏡取り付け型の構成を目指し、小型レーザ光源とMEMSと呼ばれる小型の光走査素子を用いた光学システムおよび制御システムの独自開発を行う。図2に示すシステム構成において、レーザ強度、パルス幅および走査速度等の最適化を行うことで、従来にない小型自動細胞死滅装置を実現する。
これら開発により、細胞工学における研究者の開発作業の効率化とスキル依存であった歩留りの向上を実現することで、IPS細胞等の今後重要となる開発の加速が期待され日本の強みである同分野での国際競争力向上に大きく貢献することが期待される。
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