太陽光発電システムは、固定型から太陽追尾型や、稼働率向上を目的とした追尾集光型も研究されてきた。また水冷発電セルによる熱利用を加えた熱電併給方式は総合効率を倍増できるという報告もあったが、設置運用には大きな空間が必要であった。こうした背景から、住居に隣接して簡便に設置できる熱電併給システムとして、回転タワー型集光装置の考案に至った。本計画では熱利用機能を中心に量産性と総合効率を両立する新型太陽光・熱利用システムの開発を行う。
本機器は、回転機構により太陽を追尾し、反射ミラー群がタワー側面から内部に入射した太陽光を正面に捉え反射し、タワー中央部へ集める。反射した入射光は切替式の射出角補正レンズを通り、ある一定範囲内に傾斜してから中央反射体部に入る。その内部で反射・屈折し垂直化された光が下部へ導光・集光される。これらの機構を持つ単位ユニットは連結・増設により出力増強でき量産性にも優れる。
本システムは住居に隣接して簡便に設置し、太陽光を余すことなく集め、電力と熱を需要変化に応じ切替え利用することをコンセプトとする。
本新技術開発を通して地球温暖化防止効果に貢献し社会性、公益性に優れたコンパクトで経済的なタワー型太陽光利用システムの実現が大いに期待できる。
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