新技術開発助成

第111回新技術開発-05

骨粗鬆症性椎体骨折に対する再利用可能なバルーン用加圧器の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 スパインクロニクルジャパン
代表取締役 米澤 則隆
所 在 地
石川県金沢市
技   術
所 有 者
株式会社 スパインクロニクルジャパン
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 高齢者の骨粗鬆症性椎体骨折は高齢化の進展と共に増加してきている。この椎体骨折に対する手術(経皮的椎体形成術)では、骨セメントを充填する空間を空けるためのバルーンカテーテル拡張機器が用いられているが、従来製品はバルーンが破損しないよう内圧の過度な上昇を防ぐためにバルーンカテーテルおよびシリンジの同一空間内に内圧測定器が設置されており、これが高価格の原因となっていた。
 本技術開発ではバルーン内圧上昇を回転トルクで検出する事で圧力計を無くし、低コストで再利用を可能にしたバルーンカテーテル拡張機器を開発する。具体的にはネジ構造を有するドライバー部分を回すことでシリンジが押されてバルーンが膨らみ、内圧上昇に相関するドライバー部分の回転トルクも上昇する。内圧が規定に達した場合にトルクリミティングドライバー(図2)が空転し、造影剤がバルーンへ送り込まれなくなるので、術者による圧力計での内圧監視は不要となる。またトルクリミティングドライバーやアタッチメントは再利用可能であり、手術後廃棄するのはシリンジとバルーンカテーテル(図1)のみとなり、システムの大幅な低コスト化が可能となる。
 本技術開発により低コストで再利用を可能にしたバルーンカテーテル拡張器が実用化されれば、経皮的椎体形成術における医療費の大幅な削減が期待できる。特に隣接する椎体の骨折を予防するための予防的術式が今後増えていけば、同一手術での再利用が考慮されている本機器の医療費削減効果はさらに大きくなると期待される。

図

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