既設配管設備の手動バルブを自動バルブに交換する場合、設備の運用を停止し配管内の流体の除去などを伴うことが多い。特殊用途のバルブの場合、自動バルブが市販されてないこともあるうえ、可燃性流体の配管設備の変更は、流体の漏洩、耐圧試験等の大がかりな工事を必要とすることが多く、配管工事を伴わない、後付け可能な防爆型のバルブアクチュエーターの開発が求められていた。
既設配管設備のバルブを自動化するためには、配管ステーへの負担や配置スペース確保のため、バルブアクチュエーター本体が小型軽量である事が求められる。さらに、流量の制御性などを考慮すると、アクチュエーターは空気圧や油圧でなく高度な制御が可能な電動であることが望ましい。本技術開発では、小型で高度な制御が可能なサーボモータを採用し、モータ制御装置一切を非貫通肉抜き耐圧ケースに収め、内部をシリコンコーティングおよび不燃油で満たし、引火しない構造とした小型軽量な防爆型後付けバルブアクチュエーターを開発する(図1,2)。
国内産業用バルブ市場5515億円のうち可燃性ガス分野は16%の860億円を占めており年々増加している。加えて、既存配管設備のアップグレードや人件費節約および安全性確保のため、バルブの自動化のニーズは高まっている。本開発はこれらの要求に応えるスペックを備えており、市場投入の際には、日本の産業界の発展はもとより、世界の技術発展を支える基盤技術として社会に貢献することが期待される。
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