オイルショックを契機に太陽熱利用が注目され、太陽熱温水器は100万台もの普及実績があるが、その後、補助金も削減され、温度設定が出来る便利な給湯器などが普及し、残念ながら太陽熱給湯システムは、配管設備や温度管理が難しいため普及しなかった。しかし、最近、環境問題への意識の高まりやエネルギーコストの高騰のため、太陽熱を利用したエコな給湯システムの開発と普及が求められている。
電気を使ってCO2冷媒ヒートポンプでお湯を沸かすエコキュートが、近年普及し始めた。本技術は、太陽集熱装置をエコキュートへ組合せることにより、電気代を大幅に抑えることが可能な太陽熱給湯システムの開発である。具体的にはエコキュートのタンクに太陽集熱器で沸かしたお湯を注ぐシステムの開発であり(図1)、エコキュートの自動浴槽お湯張り機能など便利な機能をそのまま活用することができる。太陽集熱器は集熱板と送水チューブ配管と循環ポンプのみのシンプルな構成により、低コスト太陽熱利用給湯システムを実現する。
地球環境問題やエネルギーコストの上昇を鑑みて、太陽熱の利用促進は、今後、早急に取り組まなければならない課題である。本開発は、エコキュートという市販システムへ付加する形態で設置することができるので、既設であっても新設であっても極めて安価に設置可能である事が魅力である(図2)。今後、このシステムが普及することで、太陽熱利用が促進され、自然エネルギー利用の普及が促されるものと期待される。
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