新技術開発助成

第113回新技術開発-02

発泡スチロール製フロート用特殊成形金型の開発

技 術 開 発
契 約 者
有限会社 三宝金型製作所
代表取締役 中村 裕一
所 在 地
大阪府堺市
技   術
所 有 者
有限会社 三宝金型製作所
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 本新技術開発により開発を目指す特殊成形金型は、養殖いかだ等に用いられる浮力400kg発泡スチロール製フロート(図1:外径約665mm×長さ約1140mm)を対象とし、これまでの発泡成形金型が持つ通気性能の限界に起因する原料ビーズの充填・融着不良や成形サイクルの効率の低さの改善を図り、高品質かつ高効率な発泡成形を実現しようとするものである。
 発泡成形金型は一般に、原料ビーズの金型への充填、発泡・加熱(融着)、冷却に至る各プロセスにおいて金型が持つ通気性能が重要な役割を果たす。金型の通気性能が不足する場合、型を開いて通気性を増やす型開き工程が必要となり、原料ビーズの充填・融着不良による原料や品質面でのロスのみならず、加熱・冷却サイクルのエネルギーロスが大きくなる。本新技術開発では、狭ピッチ化したスリット構造を持つ金型(図2左)を開発、十分な通気性能(従来の通気構造による開口率3%未満から約10%にアップ)を確保し大型成形体に対する充填・融着不良の解決を図り、さらに2段スリット構造(図2右の赤色部:2mm幅、緑色部:1.4mm幅)を採用しドレン滞留空間を設け熱交換効率を高める。これにより成形品と金型の冷却時間を短縮、成形サイクルの高効率化を図る。
 本新技術開発により実現される特殊成形金型は、浮力400kgフロートの需要に対し成形品質・生産性ともに大いに改善が期待できるのみならず、大型発泡成形体における新たな用途展開も期待できる。この新しい通気構造を採用した金型は省エネルギー効果が高く、特に発泡成形に使用する加熱水蒸気のロスを低減させ、燃料削減による地球温暖化防止への貢献も期待できる。

図

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