「背景/社会的要請、狙い」
従来の車いす、天井リフトの移乗では、高齢者が自身での立ち上がり、介護者あるいは大がかりな設備を必要とする。このような大がかりな設備を設けることなく、また介護者を要することなく住居内での簡単で安全な自立移動を行うことのできる装置を提供する。
「技術内容・構成、特徴、新規性/差別性」
高齢者が立ち上がっての乗り移りが不要の、安全簡単な移乗と移動を兼ね備えるために、
・ |
座面を上下動し、移乗する対象物(ベッドやトイレ、ソファなど)と高さを合わせることで体の前後のスライド移動で移動装置と対象物の間の乗り移りを可能とする。 |
・ |
小型化と超信知旋回により、トイレなどの狭い場所での方向変換を可能とする。 |
・ |
後ろ向き降車を3次元Lidarによる移動場所の形状認識により自動化し、移乗する対象物との位置・高さ合せが無理なく、安全に行なえるようにする。 |
・ |
室内での頻繁に移動するルートの運転を住居の間取り図に対応して半自動化する。 |
さらに、座面を高くすることで従来の車いすでは出来なかった周りの健常者と同じ視線で会話が出来る。
「期待される効果、社会的価値」
介護現場における、車椅子を使用した高齢者のベッド、トイレへ等への移動には介護者が高齢者を抱きかかえて車椅子への移乗を行うため、介護者の肉体的負担が大きく、腰痛の原因となり、介護離職にもつながっている。今後も益々進むことが予想されている介護人材不足問題への一助となりうる。
介護者の負担を減らしながら、少なくとも上肢が健全で体幹のしっかりした高齢者(65歳以上の高齢者の約1.33%を潜在需要者と想定。)の住居内での自立した移乗移動を可能にすることで高齢者のQOL(Qualityof Life)を上げることが期待される。
|