オフィスなどのセキュリティゲートに関する技術開発である。従来のICカードの場合、都度カードを取り出しかざす必要があり煩雑である。顔認証の場合、顔の登録によるプライバシーの問題と、一度漏洩した場合のリカバリ手段が難しいという問題がある。
Bluetooth電波による高精度な位置測定技術(精度10cm)とセキュアで高速な認証技術を組み合わせたセキュリティゲートを開発する。位置測定はスマートフォンからのBluetooth電波をゲートの前後に設置した複数の受信機で受信することで、電波の強度平均を取り変動を吸収する技術である(図1)。認証はスマートフォンから発信し続けられるIDと暗号化した送信時間を受信機で受信し、送信時の時間差が一定となることを利用して一度に多数のスマートフォンが存在する環境でもロバストな認証を可能としている(図1)。
今回の開発ではこの二つの技術を応用したゲートシステムを試作する。スマートフォンからの電波を受信する8つの受信機をPoE(Power over Ethernet)で接続した本体基盤を試作し、周囲の数百台のスマートフォンから数十ms単位で発信されるBluetooth信号をリアルタイムに処理できるようにする。これにより従来よりも利便性の高いハンズフリーで通過可能なセキュリティゲートを実現できる。
|