新技術開発助成

第114回新技術開発-03

海ゴミ熱分解処理装置

技 術 開 発
契 約 者
クルーズアルファ株式会社
代表取締役 草場 勇
所 在 地
大阪府大阪市
技   術
所 有 者
草場 勇
技   術
開 発 者
クルーズアルファ株式会社
統括 讃井 由紀夫

技術開発内容

 世界の廃プラスチック発生量が年々増加しており、ゴミの処理方法が問題となっている。リサイクルできない廃プラスティックゴミは8割超で、大部分は焼却、残りは埋め立て処理され、CO2やメタンなど地球温暖化ガスとして排出される。加えて処理されずに自然界に放出された海洋ゴミの漂着、マイクロプラスチックの生態系への影響も懸念されている。
 回収してもリサイクルできない廃プラに対しては、処分する段階で発電等の熱源に利用するサーマルリカバリーや、分解によりガス化、油化して二次資源化する技術が開発されている。本技術は後者で、熱分解による廃プラ処理プラントの試作開発である。連結可能な熱処理ユニット(図1)により、単一でバッチ式(図2下)、連結して連続フロー方式(図2上)を構成し、幅広い処理量に対応する設計となっている。連続フロー式では、ゲートで仕切られたユニット毎に熱分解条件を設定でき、かごをリレーして効率的に処理する。電気ヒータによる排気ガス低減、ニーズに対応した温度制御プログラム、不活性ガス(窒素)と過熱水蒸気の混合比調整、独自の触媒など、新規開発要素を導入し、安全・経済的でシンプルな操作性を実現する。
 本開発機の特長は、一般の焼却炉では処理できない金属やガラスなどを含む混合プラスチックや、塩分を含む海洋ゴミに対応している点である。海岸に漂着したゴミをボランティアが集めても焼却処分ができず、溢れる集積場に苦慮する自治体等も増えている。脱炭素の視点のみならず、環境中のマイクロプラスチック問題を解決する手段として環境保護の意義も大きい。

図

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