パワーデバイス向け次世代化合物半導体は、スマートフォンやPC、自動車、産業機器等、幅広い用途に活用され、省エネ・省電力化の進展も伴い今後更なる需要拡大が予想される。
このSiCウエハ加工技術の向上や歩留まり改善要求の高まりを受けて、より高度な欠陥評価へのニーズが強くなっているが、既存の業界標準装置では対応できず欧州を中心に規格見直しが進んでいる状況である。(図1の内部に存在する欠陥に対応)
本開発技術は、このSiC基板の検査技術に関し、特に従来技術では難しいウエハ深部欠陥の定量解析を実現するために、独自のデジタルホログラフィ技術により、点光源が作る球面波(波動方程式の解析解)を参照光に用いることで正確な物体光波面を記録可能とし、光波面を平面波(波動方程式の解析解)に分解し、各平面波の伝搬計算することで正確に波面伝搬を計算し、ワンショット記録ができるオフアクシス記録手法を開発した。(図2に欠陥の検出例を示す)
本手法により、ウエハ全体の基板の内部の欠陥を高スループットで検出可能となり、既存装置の1/3に迫る製造原価・メンテナンスコストの低減することが可能となる。
これにより、今後大きく拡大が予想されるSiCデバイスの信頼性を向上させ、省エネ、省電力に貢献する。現在のパワーデバイスの検査市場は寡占状態であり、新たな手法を導入することで日本の得意とする半導体検査市場でさらなる国際競争力獲得に貢献することが期待される。
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