流体の圧力エネルギーを回転運動に変換し発電を行う技術には、規模の大小によって様々な方法がある。その中で身の回りのエネルギーを回収して利用するエネルギーハーベスティング技術として、排出・廃棄される圧力エネルギーを回収して小規模な発電・蓄電を行う低価格・軽量かつコンパクトな製品はなかなか実現できていない。
本技術開発では、表面に羽根や突起が無い円錐状の「ローター」と、同じく溝などの特殊な形状加工を施していない「ステーター」により回転運動を生み出す独自のブレードレスタービン技術(図1)を用いて、小型発電システム(図2)の開発を行う。従来の技術では小型化が難しい、あるいは構造が複雑となりコストが嵩む等の問題があったが、本技術はシンプルでコンパクトであり設置箇所への制限が緩和されること、分解・洗浄・消耗品の交換が容易であること、また潤滑油の必要が無いことなどから、小型で低価格の発電システムの実現が期待できる。
この技術により水道の圧力レベルで5W程度の発電量を得ることが可能で、IoTセンシングの電源や、水道等のスマートメーター、高齢者見守りシステム等への利用が可能となる。また、本技術は排エネルギーを再利用することを前提としており、環境面での社会的貢献も期待できる。
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