プラスチックは汎用性が高く様々な用途で使用されているが、マイクロプラスチックによる海洋汚染の問題やCO2排出量の問題等、環境への負荷が問題視されている。この問題に対し、プラスチック製品から紙製品への移行が求められているが、パルプモールドへの代替ではプラスチックモールド同等の成型精度や生産効率を実現できない。このため、通常のプラスチック成型機を用い、プラスチックと同等の精度や生産効率を担保できる紙素材を開発し、プラスチック削減、及びCO2排出量削減による環境貢献を狙った。 紙から回収できる植物繊維に専用の可塑剤を調合し製造した紙素材kamimol®は、従来のプラスチック成型で使用している設備と金型を用い、様々な成型品を製造できる。「植物性由来の紙が主成分」、「通常のプラスチック成型機が利用可能」、「紙としてリサイクル可能」という3つの特長を全て満たせることが、他の成型素材に対する本素材の差別化ポイントである。 本素材が普及し、プラスチック製品を紙製品に代替えできれば、代替え量に相当する分だけ、プラスチックを削減できる。また、石油樹脂を完全に排除することで、焼却処理時のCO2排出量を削減できる。さらに、分解後は自然に還元されるため、廃棄に関する環境負荷が低く、古紙のリサイクルフローに適合する。循環型社会の構築に資する新たな選択肢としての社会的価値は高い。
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