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世界中で再生エネルギの発電が普及しつつあり、日本においても、太陽電池、風力発電などの技術開発が盛んである。一方で、電気の輸送は送電線の一択であり、電気抵抗によるエネルギロスが大きく、送電範囲にも制約がある。そこで電気の効率的な輸送技術が求められている。
電気を貯蔵し輸送が可能となる、高エネルギ密度の液体電池の開発を行っている。従来の代表的な液体燃料電池のVRFB(バナジウムレドックスフロー電池)では、硫酸バナジウムの濃度にエネルギ密度が比例し、溶解限界がエネルギ密度の限界であった。またリチウムイオン電池や水素燃料電池ではエネルギ密度の問題に加え、安全性やリサイクル性に難があった。水素を吸蔵放出可能な水素吸蔵合金の粉末をアルカリ水溶液に分散させ、アルカリ水溶液を電気分解させて発生した水素を合金内に吸蔵し、この水素を燃料として電気を発生させる仕組み(図1)により、VRFBの10倍以上のエネルギ密度330Wh/Lを達成する液体電池を開発してきた(図2)。常温・常圧で良いため保管性が高く、不燃性の水系電解液であることから安全性も高い。さらに実用化を目指し、充電済みの液体電池を運搬し交換可能となるよう、小型セル構造(表面積拡大、低抵抗膜、液体燃料の電気伝導性向上)、液交換、バッテリマネジメントの各技術を開発することで、電池としてのシステム化を図る。
利用距離の制約なく効率的に電気を運搬できるため、火力・原子力発電よりも低コストで発電した再生エネルギを利用しやすくなり、エネルギコストの低減が可能となる。また、高効率な定置用蓄電システムなど、より高性能なエネルギマネジメントシステムへの適用が期待される。
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