新技術開発助成

第116回新技術開発-04

ワイヤレス給電装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社アドテックス
代表取締役 佐藤 弘男
所 在 地
群馬県高崎市
技   術
所 有 者
株式会社アドテックス、学校法人加計学園
技   術
開 発 者
株式会社アドテックス
室長 小名木 伸晃

技術開発内容

 ケーブルやコネクタが不要となるワイヤレス給電は、携帯電話や電動歯ブラシ・照明など小型家電を中心に普及が拡大しており、今後さらに、電気自動車・電動車いす・ドローンなどへの適用も進んでいくと考えられる。しかし、現在のワイヤレス給電装置は、送電コイルと受電コイル間の距離変動や位置ずれに敏感であり、使用上の大きな制約になっている。
 送電コイルと受電コイルの間の距離を大きくとれるワイヤレス給電に磁界共鳴方式があるが、距離に応じて回路パラメータの最適化が必要であり、位置ずれ等による距離変動が生じると著しく伝送電力が低下する問題があった。そこで送電コイルと受電コイルの位置関係の変動に対し伝送電力が変動しないワイヤレス給電装置の開発を進めている。考案した装置では、電力の損失が少なくなるようPT対称性(時間・空間反転対称性)が発現する回路パラメータを設定、さらにコイル間距離変動に伴う電流共振周波数の変動に対応できるよう、送電コイルの電流を検出しスイッチング素子のゲートタイミングを制御することで回路の電流が共振周波数を維持できるようにした。これにより、位置・距離が大きく変化しても高い電力伝送効率が維持できることを実証した(図1)。さらに、ゲートタイミング制御パラメータを容易に調整可能なデジタルPLL(フェーズ・ロック・ループ)を開発し回路に組み込むことで、アナログ回路に比べてシステムの安定性向上・無調整化・小型化を目指す(図2)。熱環境や経年劣化により素子の特性が変化しても、デジタルPLLで電流周波数を調整することにより常に高い伝送電力を維持することが可能となる。
 ワイヤレス機器の充電時の自由度が高まるため、適用範囲が広がり、各方面で利便性が向上する。例えば、電動車いすに適用することで車いす使用者自身がワイヤレス給電コイル付近に駐車さえすれば、自動で充電を開始することが可能となる。

図


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