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年間約100億トンの炭素が、CO2として大気中へ放出されており、半分程度は、海洋や陸地が吸収しているが、残り半分は大気に蓄積されている。この不均衡が解決しない限り、地球温暖化は止まらない。そこで、「土壌への炭素固定」に着目し、日常生活において継続的に発生する食品残渣、植栽廃棄物、屎尿等の有機系廃棄物を原材料とし、これらに含まれる炭素成分を大気中に散逸させることなく、高い炭素収率を維持したまま土壌に還元し、炭素固定を実現する革新的な堆肥化を実現する技術開発である。
この「土壌への炭素固定」に際し、微生物に代わって触媒と加温により、同等の反応を実現する反応系として設計した。具体的には、堆肥化の基本反応を抽出し、基本反応を前半の「栄養素の分解」と後半の「分解された低分子の縮合」に分割し、両段階の効率的な連結により、CO2やNH3等の温室効果ガス・臭気ガスとなる低分子化合物の発生を抑制(炭素収率の向上)し、反応時間の大幅短縮を実現する技術である。
これらの成果として、現在焼却処分されている有機廃棄物の堆肥化転換により、CO2削減が可能となり、従来の微生物堆肥化では、原料炭素の60%程度がCO2として大気放出されていたが、触媒反応により炭素収率を大幅に向上させ、堆肥化過程でのCO2発生を抑制可能であり、さらに堆肥中の炭素が地中で安定な腐植様物質として固定化されるため、長期的な炭素固定へとつながる。また、カーボンクレジットや砂漠化地域での土壌改良と炭素固定化が可能であり、国際普及により温暖化防止効果の拡大が期待できるものである。
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