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近年自動車は、衝突安全基準の向上や衝突防止機能、動力の電動化、自動運転技術の搭載などに伴い、車両重量が増加している。車体に軽いアルミニウム材を用いることにより、軽量化と燃費向上が期待されている。しかし、アルミニウムは溶接が非常に難しいなどの課題があるため、車体の一部に採用されるにとどまっており、さらなる普及のために、より簡便な接合技術の開発が求められている。
アルミニウムは、軽量でリサイクルも可能なため、車体の軽量化に適した材料である。しかし熱伝導率や熱膨張係数が高く、電気抵抗が低いうえ表面に絶縁体層を形成するため、抵抗スポット溶接は難しい。本課題では、超音波を用いたアルミニウム接合技術を開発する。超音波接合は、超音波振動エネルギーを接合界面で熱エネルギーに変換し、加圧しながら固相拡散接合を行う方法である。従来、大きな材用には不適合であったが、本技術開発は、加熱アンビルの設置や素材の表面形状の工夫による摩擦の向上、不要振動の削減等により、自動車部品の接合を可能にするものである。
本開発の超音波接合機はロボットハンドに搭載可能であり、これまでの工場のラインを大きく変更することなくアルミニウム板が超音波接合可能になる。このことにより、自動車のボディーへのアルミニウムの採用率の向上と車体の軽量化が促進し、燃費向上および二酸化炭素排出量の削減が見込まれる。地球環境に与える効果を含め、社会的価値の高い技術開発である。
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