従来の受動的に人物等の動きを検知するパッシブ赤外線センサーでは、安価でシンプルな構成で人物などを比較的高い精度で検知することが可能である。しかしながら、人物が止まっていると検知できない、あるいは人物の位置や動いている方向がわからないという短所により、部屋に人がいるのに空調や照明が切れてしまう、暗闇にじっと潜伏する犯人の検知ができない、自動ドアを開ける際にドアより遠くで横切る人にも反応する等の不具合が生じていた。
本技術は、このパッシブ赤外線センサーを改良し、静止検知、位置検知、移動検知を可能にすることを目的とする。従来のパッシブ赤外線センサーに回転光学系を付加し、その回転光学系の対極に設けた上下2つの窓から周囲をスキャンすることによりこれらを実現する。
本技術により、上記の不具合を解消できる赤外線センサーを提供できる。また新規な分野として、介護分野でのトイレやお風呂での事故の検知が考えられる。従来、トイレやお風呂ではプライバシー保護の為に監視カメラが使えず、事故を素早く検知する手段がなかったが、本技術の静止検知と位置検知を組み合わせることにより、トイレやお風呂で倒れたり動けなくなったりといった緊急を要する事故にも迅速に対応できる手段の提供が可能になる。
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