新技術開発助成

第86回新技術開発-10

公共河川流入ノリ加工生産排水の脱色浄化技術の開発

技 術 開 発
契 約 者
大牟田電子工業株式会社
代表取締役   原田 隆
所 在 地
福岡県大牟田市
技 術
所 有 者
大牟田電子工業株式会社
技 術
開 発 者
大牟田電子工業株式会社
管理部企画課長   市瀬 孝

技術開発内容

 福岡・佐賀・熊本3県の有明海沿岸地域には数1000ヶ所のノリ養殖場が点在するが、有機着色物質を含んだ加工生産排水が無処理のまま公共河川に流入しており、不快な臭気を発生して生物環境を破壊する、重要な観光資源である水郷地域の美しい景観を著しく損なう等の大きな社会問題を引き起こしている。
 本開発はノリ加工生産排水を対象とし、電解機能水製造装置と触媒反応装置を組合わせた新規な脱色浄化処理システムの実用化を目的とする。これまで、ノリ排水の脱色浄化には酸化イリジウム及びダイヤモンド特種電極で製造した高酸化活性を有する電解機能水が極めて有効であることを実証し、また酸化活性反応を促進する表面に酸化鉄・酸化マンガンを担持させた独自の竹炭触媒を開発して顕著な効果を確認した。本システムは汚泥発生が無い、汚濁水の混合脱色反応槽が電解槽と独立した構成で電極寿命が極めて長い、触媒作用により残存酸化性物質・栄養塩類(窒素・リン)の同時分解除去が可能等の優れた特長を有している。
 柳川市の土地面積の20%を占める掘割の環境維持に対しては多くの先人達の懸命な努力があった。本開発は、有明海地域の快適な水辺環境の再構築に大きな貢献を果たすことが期待される。又ノリ排水の脱色浄化処理に用途を限らず、竹炭触媒の持つ水中微量汚濁物質(有機物・窒素・リン等)への優れた吸着・除去作用を特長とする汚濁排水処理システムとして、全国的な事業展開が可能と期待される。


図