昨今のIPM(インテリジェントパワーモジュール)業界では大量生産・海外生産による画一化が進展してきている一方、IPMは省エネ要求からカスタム仕様による電力使用効率・形状の最適化といったニーズが生まれてきている。本技術は、実装技術により多品種少量生産に対応したIPMに関するものである。
本技術開発では、従来のIPMにおいて外形を決定しているケースとケースを作る為の金型を無くすことを図る。半導体実装で培ってきた技術を駆使しIPMの形状に応じて作り上げられた冶具を用いIPMに実装される制御ICのベアチップ実装と個別部品を含めた配置・配線を最適化し、ボンディングワイヤ等で高密度実装した上で液体樹脂を注入して封止と構造を一体的に行うことによりケースレス、ゲルレスを実現し、金型を不要としたことで多品種少量生産への対応が可能になる。
大量生産による画一的なIPMを使用するしか選択肢がないことにより最適化が困難であった産業・車載インバータ市場において、ますますIPMの多様化が求められている昨今、IPMパッケージの固定概念を無くすことにより、多品種少量生産に対応するのみならず形状の自由度向上と同時に、小型化による副次効果として省電力化も実現でき設計段階から顧客ニーズに適用していくことができる。更に、大量生産によるコスト競争のため生産が海外に向かうことによる国内雇用減少に対する取り組みのひとつとしても公益性が高い。
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