国内の緑内障の患者数は約400万人と推定され、早期に緑内障性視神経障害を捉えることのできる検査装置が望まれている。フリッカー視野は、緑内障の早期発見に非常に有用であるM-Cell系を選択的に測定可能な検査方法であることが確認されているが、従来のフリッカー視野計は、背景光に全面スクリーンを用い、視標光は全面スクリーン上に異なる色でONすることで表示されているため、被験者に視標光が判別でき誤検査を誘導していた。
本開発装置は2枚の液晶パネルを使用し、2画面を合成することで(1)背景光と視標光を同色として、視標を背景に融合させる。(2)フリッカーの周波数可変範囲を0〜120Hzに拡げ、且つフリッカー波形を任意(例えばSIN波、ノコギリ波等)に可変させ、視標を背景に融合させる。(3)機械駆動部を持たない装置である。(4)任意に視標の大きさや形状を変えることができる等々の特徴を有し、緑内障の早期発見が可能となる。(図1に光学系概要、表1に主な仕様を示す。)
現在治療方法が見つかっていない緑内障患者に対して、いかに早く発見して、その進行を遅らせることが最大のポイントとなる。本開発装置は、視標を背景に融合させることができ緑内障の早期発見が可能となり、社会に貢献できると考えられる。
|