これまで市販されてきたニードルバルブは、穴にニードルを差し込む構造であるため、流量の調整範囲が狭いという問題点がある。そのため広い調節範囲が必要な場合、大きさの異なる複数のニードルバルブを並列に並べる必要があり、配管も操作も複雑にならざるをえなかった。このような現状に鑑み、一つのバルブで数桁に渡る広い流量調節が可能な新しいバルブの開発が求められていた。
本開発によるスーパーニードルは、ハーゲン=ポアズイユの法則を巧妙に応用したもので、指数関数的に溝の深くなる多重らせん構造の三角溝を用いて、5桁以上の広範囲にわたる流量コントロールを可能にするもので、これまでのニードルバルブの常識を打ち破る新技術である。しかも、バルブ内部は耐腐食性に優れた部品のみを用い、一切の漏れを発生させないテフロンベローズシール構造を備えている。さらに、工場での自動制御を可能とする電動化も行う予定である。このように、本スーパーバルブは従来品とは異なる全く新しい多機能バルブである。
本スーパーニードルは、一つのバルブで5桁以上の流量制御が可能であり、さらに耐腐食性にすぐれ漏れ対策も優れていることから、今後、研究開発はもとより、半導体を初めとする生産現場において幅広く利用されるものと思われる。さらに、広範囲流量センサーと組み合わせることにより、非常に広範囲を制御可能なマスフローコントローラーの開発に繋がるなど、将来のさまざまな応用展開が期待される。
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