電子デバイスの高密度化に伴い、超微細加工や、最先端のマスク、ウエハの検査装置のための短波長な紫外線コヒーレント光源が重要となっている。本課題では、固体レーザー、ファイバーレーザーをベースとしたレーザーの波長変換により、深紫外線を発生する新規な優れた非線形光学結晶を実用化し提供することを目的とする。
非線形光学結晶に要求される性能は、紫外線領域において高い透過特性と、大きな非線形光学定数、さらに位相整合条件を満たす複屈折を有する結晶である。本開発では、代表者の一人が発明したCLBO結晶の実用化に向け、結晶炉内に水平流と上下流を同時に生み出すプロペラを設置し、均一かつ大型結晶を育成する攪拌育成法の実用化が課題である。本技術で開発されるCLBOは深紫外線領域で耐久性が強く、コストが低減されたことに特徴を持つ世界に向けた日本発の紫外線技術が提供される。
本技術で育成されるCLBO結晶により、優れた紫外線光源が実用化される。半導体技術で我が国が世界をリードするために必要不可欠な要素技術である。また、その波及効果は、単に光源レベルだけでなく、光源を用いた検査装置、加工装置、電子デバイスの高密度化など非常に大きな産業分野に広がる。
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