近年、CFRP(炭素繊維強化樹脂)素材のうち、加工時間を含めた大幅な低コスト化が可能なCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂)素材が注目されている。しかし、最終的な加熱・プレス成形加工の前に、複数のCFRTP素材を結合してプリフォームを作製する場合、異物を介さずに粘着性の無い素材同士を結合しなければならないという課題があった。本技術は、この課題を解決する簡易なプリフォーム作製装置の提供を狙いとする。
現在、複数のCFRTP素材を結合してプリフォームを作製する場合、熱溶着装置や超音波溶着装置が用いられているが、これらの装置は大型、高価であり、本素材の幅広い応用の妨げとなっている。本技術では、申請社の有する自動刺繍ミシンの技術を応用し、CFRTPテープを、そのマトリックス樹脂と同じ素材の糸を用いて同じ素材の基布に縫い付けることにより、全自動で最終製品形状に合わせたプリフォームを作製することが可能となる。またこの装置では、素材のCFRTPテープを必要な長さにカットしながら、任意の方向で供給して縫い付けることが可能であり、炭素繊維の方向性を最大限に生かした強度設計も可能となる。
本技術の実用化により、簡易な装置で、簡単にCFRTPテープを用いたプリフォームを作製することが可能となり、CFRTPの普及に大きく寄与することができる。
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